「ゲジゲジね、なんもせんよ。ムカデみたいに嚙まれることもないし」 母は笑っていた。「もしかしてあんた、それが怖くて帰ってきたん?」 父が出張でいない事はよくあることでお祈りをして汽車に乗った僕を神は聞き入れてくれたのだ。… 続きを読む カブトムシ③
月: 2024年5月
カブトムシ②
思い返すに中学に進学してからクヌギの木を見に行くことをやめたような気がする。 ラジオ体操がなくなると同時に早起きをしなくなり、それと共に森に出かける事さえもなくなってしまった。 身体が成長して精神性も大人に近づくと興味の… 続きを読む カブトムシ②
カブトムシ
いつの頃からなんだろうか? 何故そんな風になってしまったのかも判然としていない。 クワガタが隠れている木は決まっていた。 そのサイズに満足が出来なければ一応、手にはとってみるもののそっと元に戻すのだった。 やっぱりヒラタ… 続きを読む カブトムシ