初枝さんのお弁当③

渡されたメモにはびっしりと食材が書かれている。 そのすべてがカタカナだったがやはり冷凍食品はなく野菜とお肉と魚だった。 倉庫からおじいちゃんが使っていたという自転車を引き出して来て軽快に飛び乗った。後輪の上には大きな籠が… 続きを読む 初枝さんのお弁当③

初枝さんのお弁当②

台風が近づいてきて裏山の竹林が騒がしい 天候には全く興味がなく雨降りの鬱陶しさも感じない僕はその進路さえどうでも良かった。 直撃して休校にならないかなと誰でもが思い浮かべるようなことを思っていた。 しかし僕はこの先の事を… 続きを読む 初枝さんのお弁当②

初枝さんのお弁当

訪ねて来た人が玄関の扉を引いて「ごめんくださーい」 2段の框の先に広がる3畳程のスペースには特に何も変わった物は置かれていない。 「おや、いらっしゃい。どうしたの?こんな暑い中」奥の方から家人が顔を出して膝を折る。 「い… 続きを読む 初枝さんのお弁当