不思議に思うことがあります。 真剣に言っているのではないと信じたいのですがそうでもない口調で説いていたりするのです。 「本気で言っているの?」つい言いたくなりますが場を乱すようでどうしても言えません。 心の中では「会話を… 続きを読む 駄目だヤメロ
月: 2021年6月
限界点 最後
結局、僕は年末に彼女と別れた。 優柔不断で臆病な、男気がない僕と我慢して付き合ってくれた。 最後もこちらからは連絡することなくずっと僕は電話を待っていた。 怖かったのだ、彼女の気持ちを確かめる事が怖く、別れを切り出される… 続きを読む 限界点 最後
限界点2
油絵のように原色で厚く描かれてこちらに迫ってくる平日の街並が、薄い中間色でなぞった柔らかい水彩画のように見えている。心情が周りの景色さえも変えてしまう休日の早めの朝に僕は家を出た。コンビニで仕入たおにぎりを公園で食べるか… 続きを読む 限界点2
限界点
学力的には中の中、夢を見たスポーツ選手にはなれない事をすぐに自覚しレギュラーを外れた部活もやめた。 将来に対する夢はないし、希望もなかった。なりたい職業なんて1つも浮かばない。 特技もなければ情熱を燃やす対象も持ち合わせ… 続きを読む 限界点
紫煙の最後
夕立が降っている間に帰路に着きたかった。 薄い空色をした夏のセーターは気に入っていたが充分に染みわたる程に雨に打たれたかった。強く刺さったまんまの言葉を反芻しながらゆっくりと重いペダルを漕いでいる。 稜線を縫うような曲が… 続きを読む 紫煙の最後
花束
クリスマスイブ前日に生まれた僕は、幼い頃に両親からも大人になって彼女からもプレゼントを頂けるのは1年に一回だけである。 それなら、どうせなら24日に生まれたかった。僕と同じ日に誕生した人は頷いてくれそうである。 誠に申し… 続きを読む 花束