紫煙の続き

グラウンドの隅で伸びきった夏の花が勢いを失って顔を垂れている。 祭りの花火が上がってしまうと長いはずの休みも終わりを告げたがる事を僕は知っているし遊泳が禁止され赤とんぼが群れ飛ぶころには宿題だけが残されている。 今年は親… 続きを読む 紫煙の続き

紫煙

お母ちゃんが煙草を吸っていた。 あの時のミノル君みたいに煙をプーっと吐いていた。 その夜の父は町議会が始まって帰宅が深夜になると聞かされていた。 離れにある両親の寝室横の廊下を足を忍ばせてトイレに向かった。 「人が寝てい… 続きを読む 紫煙