不思議に思うことがあります。
真剣に言っているのではないと信じたいのですがそうでもない口調で説いていたりするのです。
「本気で言っているの?」つい言いたくなりますが場を乱すようでどうしても言えません。
心の中では「会話を楽しむためにそんなことを言っているんでしょう」とか「いやいや、そんなはずないやん」とか「何を根拠にそんなに真顔で言ってるの」と口に出したくてたまりません。
しかし実際には「へえーそうなんだ」とか「そうかもね、そういう所あるよね」といってやり過ごしています。
終いには「バカヤローくだらない」と言いたくなるのです。
血液型の話です。
血液型でその個人の性格と趣向を判断して悦に入っているのは不思議な感覚ですよと言いたいのです。
科学的な根拠はないはずです。
詳しく調べたことはありません、検索すればすぐに判明するのでしょうがそれもやっていません。ある人に聞いたことがあります。おおよそ4種類に分類される血液型は大きく分けてあるだけで細分化すれば指紋と同じく一人ひとりが違っていると言ってました。
僕はこの意見を理解して納得もしています。
占いまでもしていてはもうだめです。
エンターテイメントですよね。TVでもやっていますからね、雑誌にも載っています。
楽しいんですよね、いい加減な事であっても盛り上がるからですよね。
知っています、楽しいからみんな遊んでいるんです。
しかしこれがビジネス上で出てきたときに僕は愕然としたのです。
「君は大学はどこを出たんだ」今時こんなことを聞く失礼な取引先の責任者は勘弁願いたいものですが、この質問より驚いたことがあったのです。
ある日、応接室に通された僕は社長さんの発言に驚いたのです。
「君は血液型はなんだね?」
一通りの仕事上の会話の後に彼は突然にこう聞いてきました。
「AB型です」
普通こんな感じで質問してくるということは営業マンとしてはかなり嬉しい事であると思うのです。
良かった、相手に受け入れられている。そう感じるはずです。
「彼女は何型だい?」質問は続きます。
「A型だったと思います」首をひねって「多分そうだったような気がします」
ビジネス上ではマイナス的な「多分」というこの返事も逆に自分が話したい会話に乗ったきたと喜ばれると思います。
「多分」を真剣な声で大きく発すれば更に会話が弾んで、全く関係ない取引も何だか上手く行きそうだと期待さえしてしまいます。
意気揚々と彼は言いました。
「僕と同じじゃないか、僕もAB型でかみさんもA型なんだよ」
彼はさらに言いました。
「内の社員を調べたんだよ、やっぱり適所に適材を配置したほうが良いからね」
駄目だ
しかし笑ってはいけない、彼は真剣な顔をしている。これからはこれを利用する事にしよう。きっと契約が出来る。
主張がすぐ変わる、変人、おとなしいが目立ちたがり、感受性が豊か、一見頭の回転が早そうだが成績が良いわけではない、5分後には全く違う事を言い出す。
自分を振り返ると全てピッタリと合っている。