野球は良いが柔道はよくないしサッカーは良いが空手は駄目である。
同じようにカーリングは好物だがスケート競技は苦手である。
その日、僕は過呼吸になるほど興奮していた。
多くの日本人がそうであったように。
しかし、立ち直れないほどの衝撃が心を打ち砕いたのだった。
一瞬にして何もやる気が出なくなった。
絶望からくる虚無だ。精神が破壊されて散らかった細胞の破片は息も絶え絶えである。
さらに画面に写る彼女を直視できない
ふと隣を見ると爽やかな表情をしている人物がいる
不思議な感覚だった。
平然としているしどうやら満足そうな佇まいさえ伺える。
もしかしたら僕が知らなかっただけで、この子は韓国籍なのかと疑った。
「えっ?どういう事?なんで平気な顔してんの」
くやしさと落胆をもって彼女にそう聞いた。
「だって私、キムヨナ大好きだもん」