思考①

野球は良いが柔道はよくないしサッカーは良いが空手は駄目である。

同じようにカーリングは好物だがスケート競技は苦手である。

その日、僕は過呼吸になるほど興奮していた。

多くの日本人がそうであったように。

しかし、立ち直れないほどの衝撃が心を打ち砕いたのだった。

一瞬にして何もやる気が出なくなった。

絶望からくる虚無だ。精神が破壊されて散らかった細胞の破片は息も絶え絶えである。

さらに画面に写る彼女を直視できない

ふと隣を見ると爽やかな表情をしている人物がいる

不思議な感覚だった。

平然としているしどうやら満足そうな佇まいさえ伺える。

もしかしたら僕が知らなかっただけで、この子は韓国籍なのかと疑った。

「えっ?どういう事?なんで平気な顔してんの」

くやしさと落胆をもって彼女にそう聞いた。

「だって私、キムヨナ大好きだもん」

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